VOID【Plateau Award 2022エントリー作品】

概要
ARグラスが日常化する未来の都市では、AR情報表示の空間はこれまでのような二次元のサーフェスではなく、三次元のボリュームとして存在します。

この新たな情報空間では、建物自体が情報を発信する広告塔となり、さらに都市の「ネガティブスペース(ボイド)」もAR情報の投影領域として活用される可能性を秘めています。

しかし、都市にあふれる情報は多岐にわたり、ARチャンネルが乱立する未来では、ボイド空間のAR表示権を巡る様々な問題が予想されます。


私たちは、AR表示権を土地や建築物の所有者に帰属する新たな権利として提案します。

これにより、第三者が私有地にARを投影する場合、権利の譲渡や賃借契約に基づく合意が必要となります。

さらに、AR表示権は広告空間として売買され資産化されることで、新たな市場が形成されるでしょう。

本プロジェクトでは、このAR表示権の仕組みを「VOID」として提案し、法整備の可能性やバーチャル競売による公示価格の決定など、不動産市場の未来像を描きました。


制作背景と技術プロセス
このプロジェクトは Plateau Award 2022 に参加した際に、_ignox さんとのコラボレーションで制作しました。

  • データ処理
    PLATEAUの3D都市モデルをまずRhinoで読み込み、Grasshopperを用いて加工。さらにHoudiniにインポートし、UV調整やモデルの最終調整を行いました。

  • グラフィック制作
    UnityのURP環境を使用し、Shader Graphを駆使してAR情報のビジュアルを実現しました。Shaderの調整には特に力を入れ、未来都市の雰囲気を演出しました。


結果と次への意欲
本作品は、Plateau Award 2022の決勝ラウンドに進出することは叶いませんでしたが、未来の都市設計や情報空間における新しい可能性を示す挑戦となりました。審査員からいただいたフィードバックや他の参加者の素晴らしいアイデアは、大きな刺激となり、今後の制作活動に活かしていきたいと考えています。

Unity URP/ Houdini / Rhinoceros+GH

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