clusterメタバースワールド「バーチャル新小岩」

こんにちは!Tomoです。

このたび、国土交通省が主催する PLATEAUアワード2024 において 私がClusterで公開しているメタバースワールドが奨励賞 を受賞しました!このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。

作品タイトル:

「バーチャル新小岩」

Tomo Design Studio

下のボタンより、メタバースワールドにアクセスできます。あらかじめClusterアプリをスマホやPC等のデバイスにダウンロードの上お越しください。

国土交通省Plateauデータについて

PLATEAU とは、都市の3Dデータを活用して、より良い未来のまちづくりを目指す国交省のプロジェクトです。このデータは誰でも利用可能で、都市開発や災害対策、そしてクリエイティブな表現など、幅広い分野での活用が期待されています。

私自身も、このプロジェクトを通じてunityとhoudiniとclusterを用いて新たな表現方法や技術に挑戦し、都市とデジタルの可能性を探求してきました。

今回の受賞を励みに、さらに精進してまいります。応援していただいた皆さま、本当にありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします

「バーチャル新小岩」プレゼンテーション内容

今回バーチャル新小岩というメタバースアートのエントリーになります。

目的としましては実用性重視のPlateauAwardに、アート表現や交流という軸を持った新たなメディアという物を提案したい。

Plateauを用いたアートを考えた時に、それが現実を超えないといけないと考えました。「現実よりも仮想空間の方が良いよね」と言われるためには仮想空間の強みをフル活用する必要があります。


デジタルツインはリアリティに近づくという収束点があるため現実を超える事が難しいと考えています。

それに比べ、メタバースは現実に縛られずに、創造性に限界がないように思えました。

今回のご提案では、具体的にどのように限界を突破するか考えてきました。

これはメタバースアートの初期位置です。


例えば、現実では空間の任意のピクセルを光らせる事はできませんが、メタバースでは簡単です。

テクスチャとアルファをうまく使う事で大量の点を空間上にばらまくこともできます。


今回使ったモデルに対し、初期位置はかなり上方になっておりまして、そこから上下し街を俯瞰する仕様になっています。

新小岩のモデルは、Houdiniでポリゴンを最適化しています。必要なところに潤沢なリソースを割きつつ、全体は軽くしてあります。



左右に金属光沢のある立方体の壁があるのですが、これには疑似反射を使っていて、メタバースでも十分に金属の表現が可能だという事、また、現実以上に輝かせる事もできるという事を示唆しています。


リフレクションプローブのキューブマップのHDRI画像を微調整して良い具合にハレーションが起こるように調整をしています。

左上の黄金の滝があると思うのですが、これは動的なシェーダーで、Textureを流しています。

UnityのURPではAmplify Shaderというアセットがありまして、それを使用して、Textureや色を乗算して動かす事で滝の流れを表現しています。

落ちていくと段々と街が見えてくるわけですが、建物はエッジだけを発光させています。

実は、メッシュの外形線のみモデル化してEmissionを過剰に与えています。

さらに降りていくと建物が分割されているのが分かります。

これは便宜的に等間隔に割っていますが、将来的には建物高さの情報を取得して割るシステムを入れる事ができると思います。

街の地面上にはLiftZoneというのがありまして、その上にいると上に定期的に吹き飛ばされます。

物理的にメッシュとの衝突判定を取ってアバターを持ち上げています。

この地面マテリアルですが、これは後で出てくるクマのテクスチャを再利用しています。

高解像度テクスチャを共用とすることでデータ量を抑えて、クオリティの高い地面を実現しています。

地面の光沢についても、同じテクスチャのアルファチャンネルを活用しています。

それから、必要に応じてAniso Levelを設定する等の工夫をしています。

クマのうちの一体は、Normal,Emission,疑似反射の組合せをShaderGraphで調整しています。

それによって、見る方向によって輝き方が変わるという、現実には難しいマテリアルを表現しています。

新小岩の路面には所々文字が投射されていまして話題を提供してくれます。

現実世界では話のきっかけに困るシチュエーションをメタバースでは起こさない工夫です。

新小岩南口の広場付近は、ランダムなショップをファサード毎にあてがっています。

ファサードの模様は、十分にマテリアルの解像度を上げるため小さい画像をタイリングして表現しています。

将来的には、店舗毎のアピールポイント、物販ならセール情報、飲食店ならメニューや座席情報等が表示されたりすると思います。

画面下部に、プレイヤーの役割等が出てきて、その情報を他のプレイヤーと共有することで謎解きが楽しめるようになっています。

コミュニケーションによって分割された情報を統合すると一つの解に辿り着きます。これが、コミュニケーションの加速に繋がるのではと考えました。

ツール一覧

DCCツール

 Houdini

画像/映像系

 ADOBE Substance3D

 ADOBE Photoshop / Illustrator / Premiere

ゲームエンジン

 Unity

メタバースプラットフォーム

 Cluster

メタバースプラットフォームclusterの使用について

今回、クラスターという国産のメタバースプラットフォームを使用しています。素晴らしいプラットフォームなので、皆さんもぜひ使ってみてください。

1.一定規模以上のポリゴン数のハンドリング

2.一人称視点+αの自由な視点移動

3.強力なグラフィック機能 

4.音声コミュニケーション

十分な創造性を発揮できるプラットフォームだと思います!!

終わりに

今回の受賞を励みに、今後も「都市」と「デジタル」の交差点における新たな表現を追求し続けてまいります。

PLATEAUやclusterといった素晴らしいプラットフォームの可能性を活かし、より多くの方々に楽しんでいただけるメタバース空間を創出していきたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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