こんにちは、Tomoです!
メタバースという言葉は聞いたことがあっても、実際に言語化することが難しかったり、定義が食い違ったりする場合があります。
Wikipediaによると、2024年10月現在、まだ統一した解釈が存在しないとの記載もあるようです。
そんなメタバースについて、今日は分かり易く定義をまとめようと思います。
メタバースとは?
言葉の意味としては、別世界というようなニュアンスのようです。
メタバースという用語は「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語である。
Wikipedia
現実世界がUniverseだとすると、Metaverseはそれとは別の世界がある事を示唆しています。
メタバースの定義
ここでご紹介する定義は、「主に」、と最初についている通り、こう考えておけば大体あってるだろうという程度のものです。
誤解を恐れずに言えば、「メタバースは、インターネット上でアバターを使用しリアルタイムに交流する3次元仮想空間、又はそのサービス」だと思います。
こう考えておけば大体の場合は、何も言語化しないよりかはイメージが湧きやすいのではと思います。
メタバース さよならアトムの時代にはメタバースの詳しい定義が載っていますので、もし気になる方は一読をお勧めします。
又、メタバースの定義を考える上で体験するのが一番手っ取り早いと思いますので、日本最大のメタバースプラットフォームと呼ばれているClusterを体験してみるのも一つの手です。
主に、3次元仮想空間
まずは、3次元である事が多いと思います。(二次元を指す場合も文脈によってはありますが)
そして、その3次元空間は仮想空間といってコンピューター/スマホ/VRゴーグル等のデバイスの中で再現される場合が多いように思います。
よって3次元仮想空間というのがキーポイントです。
主に、インターネット上の
それから、インターネット上にアップロードされており、誰もが参加できることが多いと思います。
これも、多くの場合はであるだけで、後述しますが、そうでない閉じた環境の事を指す場合もあります。
何らかの形、アプリ/ブラウザ等でインターネットにアクセスできるものが多いような気がします。
主に、アバターなどで参加し
ユーザーは自分の分身である「アバター」を使用して、メタバース内で活動します。
このアバターは見た目や動きを自由にカスタマイズできる場合が多いと思います。
アバターの無い一人称視点のメタバースもあるかもしれませんが、多くの場合はアバターがあるものが多い印象です。
主に、リアルタイムでコミュニケーションする
掲示板やスレッド等とは違い、リアルタイムで音声やチャット等でコミュニケーションすることが多いと思います。
その空間が永続的に続くか等の議論もありますが、ここでは電話や現実で人と話をする時のように、すぐにレスポンスが求められるという事が特徴であると思います。
似たようなコンセプトの空間や関連技術
似たようなコンセプトの空間や関連技術のご紹介です。メタバースと混乱しがちなので、併せて確認しましょう。
デジタルツイン
デジタルの「双子」という事なので、現実世界を仮想空間に模倣して作成した空間や技術をデジタルツインと呼びます。
物理世界のオブジェクトや環境を仮想空間に複製し、シミュレーションやモニタリングを行う技術です。特に産業分野での利用が進んでいます。
例えば車の工場生産ラインをデジタルツインを作ることで、実際の工程のシミュレーションを仮想空間上で行う等があります。
デジタルツインでシミュレーションする事で、現実世界よりもコストがかからないシミュレーションや実験などができるというメリットがあります。
NVIDIAのOmniverseや国交省の進めるPlateauプロジェクトもデジタルツインの一例です。
VR/AR/MR/XR
こちらは大枠の技術の話になります。
よく聞きますが、何が違うのかわかりにくいと思うので、簡単にまとめてみました。
VR(バーチャルリアリティ)
VR(Virtual Reality)は、コンピューターによって作られた完全な仮想空間にユーザーを没入させる技術です。ユーザーは、VR対応のヘッドセットやコントローラーを使ってこの仮想空間にアクセスし、現実とは異なる世界を体験します。VRでは、現実の世界から完全に遮断され、仮想空間の中で動き回ったり、操作を行ったりします。
VRは、物理的な現実世界を完全に切り離し、ユーザーが全く新しいデジタル世界に「没入」できる体験を提供します。たとえば、ゲームや仮想ツアー、トレーニングシミュレーションなど、現実には存在しない場所やシナリオに完全に入り込むことができます。
AR(拡張現実)
AR(Augmented Reality)は、現実世界の上にデジタル情報やグラフィックを重ねて表示する技術です。スマートフォンなどを通じて、ユーザーは現実の物理的な環境を見ながら、その環境に仮想の要素が付け加わります。
現実の風景に情報やオブジェクトを重ね合わせて表示します。例として、仮想家具を実際の部屋に置くシミュレーション等が考えられます。
MR(複合現実)とは?
MR(Mixed Reality)は、ARの発展形とも言える技術で、仮想と現実の境界をさらに曖昧にするものです。MRでは、仮想世界と現実世界の両方を重ねて体験します。VRゴーグルやヘッドマウントディスプレイを使ってユーザーは現実の物理的な環境に加え仮想のコンテンツを混合して体験できます。
MRでは、仮想オブジェクトが物理環境と相互作用します。たとえば、仮想のキャラクターが現実のテーブルの上に座ったり、家具の間を歩き回ったりするシナリオが可能です。
HoloLensやQuest3などのMRデバイスを使用することで、ユーザーは仮想空間に存在するオブジェクトをまるで現実の物体であるかのように感じます。
XR(全部)
上のVR/AR/MRをひっくるめてXRと呼びます。XR(Extended Reality)は、AR、VR、MRを含む技術の総称です。
メタバースの揺れる定義
ここまである程度明確に定義をご紹介してきましたが、何故、どのように、統一した定義が存在してないかについてお話します。
定義が現在どのように定まっていないか。
例えば、下のような実例を通して実際に定まっていない定義を考えていきたいと思います。
3次元空間であるかどうか。
基本的には3次元仮想空間を指すことが多いですが、文脈によっては二次元のコミュニティやSNS等もメタバースと言われる場合があります。
Meta(旧FB)はSNSコミュニティの分類にはなりますが、現実の世界の人間のつながりをインターネット上に再現しているため、メタバースであるとも言えます。
単純に別の世界(コミュニティ)という意味ではSNSのXもメタバースという考え方もありますね。
そういった仮想のコミュニティをメタバースと呼ぶ場合もあると思います。
それから、趣旨とはズレますが、日本においては仮想の商業空間を指してメタバースと呼ぶ傾向もあるような気がしています。
インターネット上に公開されているか。
インターネット上に公開されていなくとも、メタバースと呼ぶ事もあるとは思います。
アップロードされているか、クローズドの環境かどうかをわざわざ判定しないというメタバースの定義の仕方もあるでしょう。
例えば先進的なゼネコン(例:大林組)では建設メタバースと呼ばれるトレーニングを行っていると聞きます。
これは、インターネットとは無関係ですがマルチプレイヤーであるため、これもメタバースとして認識されているはずです。
別の例では、私がバーチャル個展をインターネットで限定公開した場合にそれをメタバースと呼んではいけないという事ではない気がしています。
又、限定公開でなく、自分だけがアクセスできる状態でも、メタバースと呼んで差支えないと思っています。
アバターで人とコミュニケーションするか。
例えば、FPSのように一人称視点の場合もあると思います。自分がどの様な形か確認できない状態ですね。
他のプレイヤーから必ずしもアバターが形状として視認できるかに関わらず、メタバースと呼ぶ場合もあると思います。
アバターにも様々な形があると思うので、それが擬人的な形状をしているかどうかにかかわらず、メタバースと呼ぶ場合もあるとおもいます。
又、アバターの存在に関わらず、デジタルツインであるPlateauがメタバースとして紹介される時もあります。これも定義を曖昧にする一例であると思います。
リアルタイムで交流しているかどうか。
例えば、三井ホームのメタバース見学では、家のコンフィギュレーターをメタバースにしているようですが、1人で閲覧可能と書いてあります。複数人も想定はしているのかもしれませんが、1人で閲覧する前提であれば、交流できないので前述のメタバースの趣旨とは異なります。
しかしながら、これはメタバースではないとも言い切れないという事になります。
これに付随する話としては、日産カーコンフィギュレーターや、靴のカスタマイズを行うNIKEのコンフィギュレーター等では3次元で商品をグルグル回したり、色を変えたりできます。
これは個人的にはメタバースとは呼ばないとは思いますが、使っている技術はかなりメタバースに近いと思いますので、例えば、これに接客のリアルタイムチャットが付いたりしていたら、、、と考えると、メタバースにかなり近いコンセプトのサービスであると思います。
まとめ
メタバースの定義と、周辺技術、又、揺れるその定義についてお話をさせて頂きました。
「メタバースは、インターネット上でアバターを使用しリアルタイムに交流する3次元仮想空間、又はそのサービス」というのが主な定義でしたね。
もちろん、それだけに留まらないメタバースの言葉の使われ方や、メタバースと呼ぶか微妙なラインのサービスなどもご紹介いたしました。
これをきっかけに、メタバースに興味を持っていただければ幸いです。
ではまた!